大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1127 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について。

論旨は原判決が証拠にとつたAに対する検察事務官の聴取書は原審で証拠調を経

たものでないと主張するけれども、記録を調査するに原審第一回公判調書中に証拠

調された書類として「各聴取書」という記載がある。この記載に徴すると所論聴取

書もその中に含まれていると認めるのが相当である。してみれは、なる程聴取書は

第一審判決後に作成されたものであること所論の通りであつても、覆審である原審

においてそれが適式に証拠調され、且つ右Aは原審公判に証人として喚問され、そ

の際被告人には右Aを審問する機会が与えられたのであるから、刑訴応急措置法の

下において訴訟手続の違背があつたと言うことはできない。されば証拠調がなされ

なかつたことを前提として憲法三一条違反を主張する論旨は、その前提を欠くもの

であるから採用に値しない。

同第二点について。

所論は原判決が採用した証拠の価値判断を争うに帰する。しかして原審の採証に

は何等経験則に反した点は認めることができないから論旨は採用に値しない。

同第三点について。

共犯者若しくは共同被告人の供述でも被告人の自白の補強証拠となりうることは

当裁判所の判例の示すところであつて今之を変更する必要を認めないから論旨は採

用できない

弁護人環長三郎の上告趣意第一点について。

前掲弁護人鍛治利一の上告趣意第一点について説示したとおりであるから論旨は

採用できない。

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同第二点について。

所論は独自の見解の下に、名を違憲にかりて、原判決の適法な採証を非難するも

のであるから採用に値しない。

同第三点について。

しかし所論被告人の各供述が強制による自白であると認むべき証跡がないから論

旨は採用に値しない。(新刑訴法の適用がない本件において同法三一九条一項に関

する所論は刑訴応急措置法一〇条二項にいう自白に関する主張と解す。)

よつて刑訴施行法三条の二刑訴法四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年二月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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